主婦から見た住まいの快適性


 最近よく耳にするフレーズが「快適な住宅」、「快適な住まい」。あまりにも曖昧で幅広い意味を持つ「快適」という言葉の氾濫に、本当の「快適」さを見失っているような気がするのは、私だけではないと思います。

 快適の意味を辞書で調べると、「心身にぴったり合って気持ち良いこと」となっています。洗ったばかりのTシャツを着たとき、清々しい森の中での森林浴…。人が気持ち良いと感じる瞬間は日常生活の中でたくさんあります。しかし、その気持ちいいと感じる瞬間と、私たちが生活する基盤の住宅を結び付けると、なにがどう心地よくなるのでしょうか。本当に快適だと感じる住宅とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

 あなたが思う快適な家とは? 例えばそう聞かれたとき、女性の立場で考えると、夏は涼しく、冬は暖かく、1年中湿気もなくどの部屋も同じように過ごしやすいと感じる家。肌で感じる「快適」を答えるとこうなります。では、それ以外に「快適」と思える家を家計を管理する立場から考えると、冷暖房費がかからない高気密・高断熱(このフレーズも溢れ過ぎ)の家。そして主婦という仕事を考えての「快適」を答えると、動線を考えた間取りと、ライフスタイルに合った収納など細やかな配慮が見られる家、となるでしょう。しかし、今答えたいくつかのことは、私という人間が感じる「快適」を答えただけであって、他の人が答えるときっと別のことが出てくるように思います。ライフスタイルが違う、家族構成が違う、趣味も仕事も、好きな映画も違う人間の感じる「快適」とは、必ずしも同じものであるわけがないのです。

 このように考えると、巷にあふれている「快適な住宅」というフレーズに疑問がわいてくるのも当然です。誰がどんな時に快適と感じる家なのか、この家のどの部分がどうなると快適となるのか。もし、モデルハウスの中に入って営業マンたずねてみたら、いったいどのくらいの人がきちんと答えてくれるのでしょう。 快適さを売りにした家を作りたいのなら、そこに住む人のライフスタイルをきちんと把握して、その家族が一番求めている「快適」を盛り込んだ家を建てるのが本当のような気がします。それが真の「快適な住宅」なのではないでしょうか。

 また反対に、住宅を購入しようとする側も「快適」という曖昧な言葉に惑わされず、自分が求めている「快適さ」がこの家にあるのかどうかを見極める力が必要だと思います。マイホームとは一生の内で一番高い買い物なのだから、売る側も買う側もお互いに自信が持てる、納得できる「快適な家」を見つけてほしいと思います。

                                                                       
(コピーライター/大槻恭子)

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